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特別支援教育支援員講座(第5回)に参加 [研修レポ]

<主催> 横浜市教育委員会

<講師> NPO法人らんふぁんぷらざ 安藤壽子 先生

<内容>

 発達障害全般についてのお話でした。発達障害の定義と、LD、ADHD、ASDの解説。インクルーシブ教育と合理的配慮など。現在、教員免許に最低1単位(7時間)の特別支援教育が設定されるようになったとのことです。(もちろん、この時間数で終えているようなら困りますが(笑))。さて、今回のお話の中で、ADHDの解説がとても分かりやすかったです。

 ADHDは、今は注意欠如、多動症とされ、①不注意②衝動性・多動性、を特性とします。しかし、この場合の不注意とは、普通一般的に使われる意味と、少し異なるようです。この場合の不注意とは(1)選択的注意が難しい(2)自分の興味、関心に反応してしまい、継続的に何かをやり遂げることが難しい(3)行動にまとまりがない(4)注意のエネルギー配分ができない、などだそうです。とくに(4)は例えば私たちが半日、授業を受けるとしたら、集中する時と、あまりしない時と、自分で調整しています。しかし、ADHDの子は、例えば最初に過度に集中し続け、途中から一気に疲れて集中できなくなってしまうことがあります。だから、この子達には、途中で休ませて回復させてあげる必要があるとのことです。 

  また、個人的に私から「発達障害の方に対して、代替手段ではなく、基礎的な能力はトレーニングによって伸びるのか」という質問をしたところ、その人たちのスピードで伸びるという回答を頂きました。また、内容によっては時期を選んだほうが良いトレーニングもあるが、人は一生伸びる、という回答も頂きました。これは、私のように、認知能力のトレーニングに強い関心を持つ者にとっては、有難いお話でした(もちろん、時期や状況を見て、代替手段も導入します)。


発達障害児地域コーディネーター 第7回講座 参加 [研修レポ]

主催:かながわコミュニティカレッジ

講師:全国女性会館協議会 桜井陽子 先生

<内容>

今回は、このシリーズでは少し異色の「グループの活動力をつける」というテーマでした。内容としてはNPO法人を中心とした話でした。

 NPOは非営利法人と訳されるため、利益をあげない団体と勘違いされる。しかし、持続可能な活動であることが大前提であるため、事業収入を得ることOK、働いて賃金を得ることOK、利益を本来事業に使うことOKとのことでした。ただし、株式会社のように利益を出資者に配当することはできないとのこと。また、面白い資料としては神奈川県のNPO法人の2016年統計で、分野のベスト4は、1位<保健、医療、又は福祉の増進を図る活動>837団体、2位<子どもの健全育成を図る活動>543団体、3位<社会教育の推進を図る活動>374団体は想像つきますが、4位は<各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動>419団体 です。まったく想像していませんでした。※おそらく、各分野に同一法人が重複しています。神奈川県内のNPO法人総数が1482団体なので。

 また、苦言としてNPO団体の多くが、講師の先生によれば、ミッションは立派だが、マネジメントを考えていないとのこと、耳が痛いです。アメリカではNPO法人だけの採用情報誌があるくらいだそうなので、意識、文化ともに未成熟なのかなと思いました。NPOの財源は①会費収入②事業収入③助成金、委託料ですが、民間企業と同じような視点できちんと事業評価をし、活動の持続可能な利益を上げ、ミッションに対して、どこまで達成できたのか、会員、出資者(納税者)に対し、説明責任を取れるようにしなければならないというお話でした。 


タグ:NPO法人

ユースコーディネーター養成研修 1回目参加 [研修レポ]

<子どもを取り巻くリスクを知り支援機関につなぐ>

<主催> 青少年育成センター

<内容> 

 今回の講師の先生は、児童相談所の職員。実際に児童相談所で行われたカンファレンスでの失敗の事例をもとにワークショップを入れながら考える講義でした。

 失敗に共通する重要ポイントは、見えている部分だけで決めつけた判断をし、その状況の背景や経緯を理解しようとしなかったために、かえってサポートしようとした家族を追い詰めてしまったり、対応が手遅れになってしまったパターンでした。

 先生は、いかなる状況もいきなりはやってこない(事件が起きて、報道されるのはここのみ)、必ず、その状況に至るまでの背景があり、理解しなければ対応を間違えると、繰り返し言われました。的確な支援に必要な姿勢は次の3つです。①正確に理解しようとする姿勢(あらゆる可能性を考える)②興味関心をもつ(背景を考える、その人の生活を知る)③わからないことは「教えてもらう」(当事者に)、です。そのうえで、何があればうまくいくのか、何ができるのかを考えることが必要とのことです。また、正しく理解するための視点は、①保護者の状況②子どもの状況③子どもや家庭を取り巻く環境、の3つを把握することです。児童相談所も原則、この3つの視点で情報収集をするそうです。

 また、事例を使ってのワークショップで感じたのは、その状況に至る背景を理解するために、まずは何を知っていて、何を知らないのかの洗い出しが必要と感じました。また、その上で、実際に支援のためのコミュニケーションを行う際には、支援の対象となるご家族に対し、共感的なアプローチを心掛けるべきと感じました。言われることが正論であるほど、人は責められていると感じるものですよね。それにしても児童相談所に、相談の電話が入る時には、かなりの丸投げ(情報収集も含め)でやってくる様子、支援機関につなげる側のモラルについても問われるお話でした。支援者は「つなぐ」と「終わる」を勘違いしないよう、肝に銘じなければいけないと感じました。