SSブログ

適応と記憶(情報追加) [教育の小ネタ]

<記憶は適応するためのシステム> 

 放送大学のTV視聴をしていた時、認知心理学で面白い話を伺いました。人間はなぜ記憶するか。それは適応するため。適応した方が生き残れる確率が高いからという、進化の過程と結びついているそうです。この視点に立つとたくさんのことが説明できるそうです。

 例えば、人間は再利用できそうな情報や、以前と似たような状況で起きる情報を記憶しやすい。その方が生き残れる可能性が高いから。ある出来事を目撃した時、その時の詳細な視覚情報より、出来事の意味を記憶する。その方が生き残れる可能性が高いから。情報をバラバラではなく統合(関連付けて)して記憶する。その方が生き残れる可能性が高いから。すごく、スッキリする視点です。

 ここからは私見ですが、これらは、子どもに何かを教えるときに、次の効果の一つの根拠になるのかなと思いました。それは、その子の経験や、すでに身に着けている知識と結びつけながら教える、その子の動機付けを大切にする、一度、学習したことをやりっぱなしにせずに復習する、などです。 教材や教え方を考える時に、この視点を持ちたいと思いました。

 追記 : 意味記憶の階層的ネットワーク

 その後、単語が 生物→鳥→カナリア 生物→魚→サメ のようなカテゴリーでつながるように、(意味)記憶がノートのメモのようにではなく、記憶同士の関連付けの中で(四方八方につながるシナプスのようなイメージ)で存在していると認知心理学では考えると聞きました。これを意味記憶の階層的ネットワークモデルというそうです(放送大学 認知神経科学より)。

 しかも、人物名、動物名、道具名はそれぞれ脳の違う部位(順に、側頭極、側頭下部、側頭下部の後頭部)で処理しているらしいという研究もあるようです。ということは、脳の状況(例えば損傷)で、動物名は覚えられるのに、人物名がどうしても覚えられない人もいるということですね。これらの脳の部位が分かれているのも進化で獲得した能力の過程でしょうか?

 感想、面白い情報等がありましたらぜひ、お寄せください。 

 上郷個別支援教室 内田雄二  yf388755@rc4.so-net.ne.jp 


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0